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「借りぐらしのアリエッティ」感想 [映画]

「借りぐらしのアリエッティ」

長い前置き:
監督が宮崎駿ではない。それが全てだと思う。
ジブリは宮崎駿が監督を努めてこそ、ジブリの作品として完成する。

そこには、必ずと言っていいほど、期待を上回る「何か」があった。
前作の「崖の上のポニョ」では、嵐の中での荒れ狂う波の描写にやられてしまった。
こんな描写をみたことがないとおもった。こんなふうに画面全体が「荒れ狂う」絵を見て、
すごい!とアニメーションの迫力に圧倒されてしまった。

今回は宮崎駿が監督を務めなかったからこそ、(務めることができなかったからこそ)
新しいジブリの形として、新しい意味と価値を発生させなければならなかった。
絶対に。

しかしそれは、大きな賭けでもある。
分かりきったことだが、ゲド戦記というひどい作品を産み出してしまい、
(もはや暗黒史か)宮崎駿以外が監督を務めることはジブリとしてリスクそのものである。

宮崎駿の作品を観たいのか、ジブリの作品を観たいのか、
答えは簡単。
みな、「宮崎駿の作品」を観たいのだ。
だから、この作品について、どうこういうことは、
監督が宮崎駿でない以上、ジブリというアニメプロダクションについて論じることになり、
見当違いの批判になってしまう。

ブルータスに掲載された、宮崎駿のインタビュー記事は、とてもおもしろかった。
それほど長くない記事だったが、宮崎駿という人間の思い、考えがよくわかる。
パッションの塊みたいな記事だった。ほとんどしゃべったままなんだと思う。
こういう人じゃないと作品はつくれないんだろうな。

沼田は、アニメプロダクションとしては、ジブリと比較すれば、
京都アニメーションの方を圧倒的に支持しているし、
面白いと思っているので、「宮崎駿のいるジブリ」をああだこうだいっていても、
結局、「宮崎駿が監督だったらどうだっただろう」という結論を導きだしてしまうことが、
すでに自明となっている。

それでも、当然、「宮崎駿の遺伝子を継ぐもの」たちがどのような作品を創り上げたかを
自分なりに整理しておいて、今後の展開を楽しみにしておこうと思う。

ともかく、作品を作り上げ、発表までこぎつけたスタッフは偉大である。
沼田は別に評論家ではないけれど、好きなものはいろいろと言いたくなるし
語りたくなる。だから、偉そうなこといって申し訳ないのだけど、メモしておきます。


感想:
良作・・・であることには違いない。
ただ、「何かが足りない」これがなんなのか、自分でもよくわからない。

「出来のいい弟子たちが、師匠を真似て綺麗に作った」
そんな作品。

物足りなさを考えると、
ひとつ言えることは、物語の起伏がなく、平坦なことだ。
変化に乏しい。
ラピュタの冒頭のように、シータが飛行船から落ちて、空から降りてくることもないし、
トルメキア軍が風の谷を襲い、ナウシカの父を殺すようなこともない。

雰囲気はトトロに似ているかもしれないが、
トトロほど、強烈なキャラクターが登場するわけでもない。

映画の尺としてはそれほど変わらなくても、
どれくらい、ジブリの(宮崎駿の)作品が変化に富んだものだったかを
比較してしまうと、嫌というほどその平坦さが気にかかる。

二つめの物足りなさとしては、メッセージの欠如である。
いったい、このアニメで何を伝えたかったのだろうか。

ピンとこない。

絵は美しいし、音楽は心地良い。
ストーリーもよく出来ていると思う。
各パーツパーツはよくできているのだけれど、
「で?」と聞き返したくなる。

ジブリという看板を背負って、発表し、公開する以上、
作品は「特別な何か」を身にまとうことを宿命付けられる。

「小さく弱き者の孤独」「失われた自然摂理の偉大さ」「大人になるに連れて失った冒険心」・・・
それっぽいテーマを自分なりに書き出して、そのどれでもないような気がするし、
どれかであってもいけないような気がする。

メッセージが一番大事なのだと言っても言い過ぎではないだろう。
が、それがよくわからないことに、物足りなさを感じる。

そして、最後に、物足りなさの最大の原因かもしれないし、
この映画のもっとも、かってに解釈すれば、最大の特徴で、狙いかもしれないが・・・。

対話が極端にすくない。
コミュニケーションをほとんどしない。


対話することを避けてきた異質な他者の、理解し合おうとする未来には崩壊がある。
この映画はこのありふれた物語を美しいアニメーションで提示してしまった。

これは、いままでの宮崎駿の創りだしてきた物語の骨格からは、
信じられないような話である。

孤立化した個人(団体・組織・グループ)がどのように社会との関係性を築けばよいのか、
というのが現代社会の大きな問題であって、この物語は、現代社会のひとつの課題を映し出しているといえば、
そのとおりであるかもしれないが、そこに、なんの夢も希望も可能性も感じない。

現代社会の現状、事実をうけいれろ、とそういうことなのだろうか。

ジブリ作品として果たす役割と逆行しているように感じる。

この物語では、「弱いものは立ち去らねばならない」

宮崎駿の登場人物は困難に打ち勝ち、新しいつながりを創成する者たちであった。
言い換えれば、規範の破壊と再生がかならず行われていた。

アリエッティの世界では、人間とコミュニケーションすることを禁じられているからこそ、
そこをどのように乗り越えていくか、がテーマとして成立するはずなのに、
その場を立ち去るという結末が用意されていることは首をかしげてしまう。

いや、もちろん、現実は常にそうだし、それが、妥当な物語の進行だろうが、
ここで訴えたいことはなんだったのか、とこの作品のテーマを読み解こうとする
自分としては、疑問を感じずにはいられない。

数少ない対話の中で、主人公の「ショウ」はアリエッティに、
「君たちは滅び行く種族だ」と語りかけるシーンがあるわけだが、
この部分がこの作品の一番の主張として感じる。

弱肉強食の社会で、弱い者たちは淘汰される。
絶滅してしまう。

それをアニメで主張として、繰り返す必要があるのだろうか?
「もののけ姫」はなんだったんだと問いたい。

そんなことは分かっているし、学校の教科書にも書いてある。
そして、その事実をこの映画が伝えようとしているとすれば、
それを乗り越えた「ナウシカ」のほうが遥かに奥深く、意味深いではないか。
滅び行く蟲や腐海は新しい大地を作る土壌となる。

対話が必要となり、語り合うことでしか人は理解し合えない。
しかしながらそれは次第に難しくなりつつあるのが、現代社会であるように思う。
みな忙しく、自分のことしか考えられない。そして、それを責めても何も始まらないし、
それ自体を否定しても仕方がない。

病気の少年、寡黙なアリエッティの父、父を助けた仲間。
だれもが、自分の状況や未来を雄弁に語ろうとしない。
まるでそれを自ら禁じているように寡黙である。

語らないことが自分の身を守るのに、もっとも有効な姿勢であると
そういうことなのだろうか。

90分の時間の中での物足りなさは、そうしたコミュニケーション不足の中で、
自分が求めているものと異なる関係性のあり方にがっかりしたからなのかもしれない。

アニメの中でもこれほどコミュニケーションを回避することを中心とした作品を
しかもジブリが作るということは、ジブリは何をつくろうとしているのかという
存在そのものを問いたださざるえない。

ジブリとして作ってきたものがどんな作品だったか、そしてこれから作る作品が
どうあるべきかということを。

宮崎駿がこの作品を監督していたら、どうしていただろう。
結局、その考えから離れられなくなる。


2010/07/19 沼田



ジス・イズ・アニメーション 借りぐらしのアリエッティ

ジス・イズ・アニメーション 借りぐらしのアリエッティ

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/07/20
  • メディア: ムック



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「殺人に関する短いフィルム」 クシシュトフ・キェシロフスキ [映画]

先日、沼田カフェで、見流した作品。

ああ、キャシロフスキ最高。

法が抑止力になる。
だから、死刑も必要である。

そう弁護士見習いの主人公が口答試験で回答する。

その後、彼が担当した事件で、彼は容疑者を弁護しきれず、
死刑台送りになってしまう。

殺人を犯したもう一人の主人公、そして、弁護士になる主人公。
その事件の日、二人は同じカフェで、一人は試験合格を恋人と祝い、
一人は、殺人のためのロープを手に縛り付けて準備をしていた。

死刑執行の当日、
殺人犯として処刑されようとしている主人公に、
弁護士は呼び出される。

「死にたくない。」

面談の時間終わり、彼は絞首刑となる。

主人公の信念とその現実とのギャップ。
彼は正しかったのが、それとも、何かを間違えてしまったのか。
心理描写も含めて、ひとつひとつのシーンが緊張感あるものとして、
切り取られ、つながっている。

ポーランドのまちが、その不安で、落ち着かない心と同化しているように思う。



うまい、これぞ映画。


殺人に関する短いフィルム

殺人に関する短いフィルム

  • 出版社/メーカー: ショウゲート
  • メディア: DVD



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川越スカラ座が復活!休み中はいろんなことがあった。 [映画]

仕事に復帰。
それにしても、今年の休みは充実していたな。
やりたいことはほとんどやった。
研究もかなり進んだ。(というか、異様にここに時間をとられたので、娯楽が減った)

そして、すばらしいことがわかった。
たまたま和服を買いに川越にいったら、
スラカ座が「めがね」を上映している看板が立っていた。

「あれ?たしか閉館してしまったのでは・・・」

しかも作品が「めがね」

いままでのラインナップから到底考えられないチョイス。

映画館の前までいってみると、

手作りのポスターで、<めがね>の楽しみ方が紹介されていた。
「めがねをかけて、<めがね>をみる。」

いい。すごくいい。

ちらって中を覗き込むと、若い女性たちがモギリをやっていた。

もしかしたら・・・もしかするのか?

「あの・・・スカラ座って閉館したんじゃないんですか?」
「ええ。私たちがいま映画館を預かって運営しているんです。」

なんと!NPOをつくって、映画館を彼女たちが運営していたのだ!!!

驚いた!そして、感動した!早稲田松竹で夢見たことが、現実になっていたのだった。
しかも、自分の住む川越で!!!これは何かしないといけない。なにもしないではいられない。

というわけで、早速、NPOの会員になるために資料などをもらった。

こんなことが起こるんだな。沼田も学生時代、地元の川越の映画館を何とかしたいと思って
いたけど、そんなことに手を貸してくれそうな人間はいないように思えたし、
そんなことを考えている人なんていないと思っていた。

そうじゃなかったんだ。

沼田は言葉にできない感動を覚えた。本当にがんばってほしい。沼田も全力で応援したい。

「川越スカラ座」
http://www.k-scalaza.com/


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マイフェイバリットムービー(映画100作品) [映画]

英会話で、作品100個を上げてきた講師。
沼田もやってみた。たまに「どんな映画が面白い?」ときかれるけど、即答できないから、書いておく。
五十音順。
タイトル思い出せないものもあり。

「2001年宇宙の旅」 美しきドナウなど、クラシックの名曲多数。2001年ももはや過去の話。やっぱりオープニングが好きだなー。
「es」 実験。人は与えられた役割の中で狂っていく。余計なエロチックなシーンを排除すればもっとよし。
「HANA-BI」」 どうにも救いようのない人生に転落していく様がよい。
「アニー・ホール」 恋をして、付き合い始め、すれ違いを繰り返し、離れ離れになり、それでもまたやり直したくなる。ウッディアレンの最後の劇中劇とセリフが印象的。
「アマデウス」 音楽世界は嫉妬もはげしい。モーツァルトのキャラが驚き。
「アムネシア」 感動した。大学の先輩の作品。映画は見るものではなく、作るものだと知った。
「アメリカン・ヒストリーX」 衝撃の結末。歴史は人を狂わせ、人は過ちを繰り返す。
「インディ・ジョーンズ」 はらはらどきどき。たのしかったな。子どもの頃、なんどもみた。
「オール・アバウト・マイ・マザー」 すべての女性のために。男性が見ても感動します。
「カッコーの巣の上で」 狂気の誕生、それは近代のはじまり。
「ギター弾きの恋」 こんなギター弾きっているかもなーとほのぼの。
「キッズリターン」 おれたちおわっちゃったのかな?バカヤローまだはじまってもいねーよ。
「キラサギ」 脚本が秀逸。みごと。密室の中で、これだけフィルムを回してあきさせないのはすごすぎる。学生が見本とすべき映画。
「クール・ランニング」 笑いあり、感動あり。内容がよい。
「グレイスランド」 ハーベイ・カイテルがよい。好きです。プレスリーが生きていたという設定を感動物語にするのは見事。
「クレイマー・クレイマー」 父は変わるんです。子どもと共に。
「ケス」 イギリスの社会状況をよく知るために。子ども視点で。
「こころの湯」 中国の急激な成長の中で、失われていくものは日本と同じなのだ。
「ゴダール ローリングストーン」 ローリングストーンズとゴダール。この組み合わせで音楽は哲学になった。
「ゴッドファザー1,2,3、」 生き残るためには変わりつつけなければならない。
「サタデーナイトフィーヴァー」 完全コピーしたバイトの先輩のダンスが忘れられない。
「シックスセンス」 正直、良かったです。おもしろかった。
「シベリア超特急」 こういうカルト映画はやっぱりネタとして必要だともう。水野さんは病気なのか。
「シャイン」 音楽、それは病と共にある。
「プロジェクトX」 ジャッキー作品はどれもよくみていた。子どものころは本当に繰り返し見たな。
「ショーシャンクの空に」 感動作品といえば、これ。みんなみているよね。
「ソウ」 続編多数。やはり第一作目が秀逸でした。よくできていた。
「スターウォーズ」 語ることはない。ダークサイドに沼田が落ちぬように。
「ストレイトストーリー」 こんな馬鹿げた内容が映画になるのがすごい。
「ストレンジャーザンパラダイス」 "余りフィルムを使って作られたことはあまりに有名。
若者のすべて。アイスクリーム。"
「スナッチ」 よくできています。ガイリッチーは最近どうしているんだ?
「スモーク」 定点観測の写真。奥さん。いいです。
「スワロウテイル」 マイウェイを聞いてください。
「セブン」 ラストに驚愕する。驚いた。内容はむごいがうまい。
「タクシー・ドライバー」 ぶっ飛び方が好き。あなたはどこへ行くの?
「ダンサーインザダーク」 見てられない。でも見続けてしまう。新しい映画だったな。
「デッドマン」 カッコいい。
「ドライビングミスデイジー」 モーガンフリーマンを始めてみた。すごく良かった。中学の時だったな。
「ドラえもん リトルスターウォーズ」 レジスタンス活動に参加するというすごい話。
「ドラえもん 鉄人兵団」 しずかさんとリルルの友情に涙しない人はいないでしょう。エンドロールが良すぎる。脚本うまくできすぎ。
「ドラえもん 魔界大冒険」 脚本も見事。かなりトーンが暗く、子どもには怖い話だが、強烈に覚えている。今見てもその完成度の高さに驚く。
「トリコロール3部作」 美しい。すべてが。そして人間について考えさせられる。
「ニューシネマシネマパラダイス」 公園のアパートの壁に映し出すあのプロセスが大好き。そして、かつて自分が撮影したフィルムを見るシーン。もう語ることはないでしょう。
「バタリアン」 小学生のころ、その怖さで夜眠れなくなった。脳みそくれ!はトラウマに。
「バックトゥーザヒューチャー1.2.3」 繰り返しみたなー。未来、現在、過去にわたってあちこち小ネタだらけ。
「はなとありす」 映画で引っ張りだこの蒼井優。ダンスシーンの美しさがこの子の将来を予感させる。
「パリ、テキサス」 電話でしゃべり続ける彼の思い。忘れてしまったフィルムに過去。親と子に言葉は必要か。
「パルプフィクション」 時間軸のいじり方が最高。笑える。そして痛い。
「リトルダンサー」 踊りたくなる。感動してしまう。
「ピアノレッスン」 ピアノというか痴情のもつれというか。痛いな。
「ひまわり」 行定さんのうまさを感じた。出世しちゃったな。
「フェイスオフ」 単純におもしろい。
「ベルリン天使の詩」 カラーに変わるあの瞬間が最高。
「ベンハー」 大作。迫力。キリスト教的な背景抜きでも十分みれる。
「ポンヌフの恋人」 レオスカラックスの無茶を映画に。ビュリエットビノシュが美しい。
「マイフレンドメモリー」 オーソドックスなパターンの難病もの。分かっていても泣ける。
「マルコビッチの穴」 クレイジーな作品。それだけでもおもしろい。
「ミステリートレイン」 日本人がんばっています。
「ユージュアル・サスペクツ」 だましあい。そしてラストの歩行シーン。うまいね。
「ユリシーズの瞳」 霧の中の人々。出来事。美しすぎる。
「ライフイズビューティフル」 喜劇の前半。悲劇の後半。悲しさは笑いに必要なスパイスか?
「ラブレター」 おげんきですか?冒頭のわけの分からない状況から物語がみえはじめるとひき込まれてしまう。
「レイニングストーン」 神は気まぐれなのか。生きるとはこういうことか。
「レザボアドックス」 傑作。最高。タランティーノはもう作品をつくらなくていい。
「レディーバード、レディーバード」 子どもと親、そして法律。
「レナードの朝」 デニーロの演技は神の領域。
「父帰る」 ロシア発衝撃的作品。21世紀もっとも謎に満ちた作品となるのではないだろうか?監督の意図したものはなんだったのか?謎が謎を呼ぶ。
「ロッキングトゥースモーキングパレルズ」 ばたばたがコミカルでおもろい。
「ロルカ」 男はやはりこう生きるべきだ。
「ワンダフルライフ」 ドキュメンタリーとフィクションの融合。あたらしい可能性。
「永遠と一日」 美しい映像はもはや絵画的。でも寝る。
「猿の惑星」 やっぱりエンディングに驚かされるわけだけど。おもしろい。
「遠い空の向こうに」 隠れた感動作。素晴らしい、。父と子、恋、友情、夢、社会状況すべてが盛り込まれている。
「汚れた血」 いつの日か、別の日か。デビットボウイの曲で疾走するアレックスのシーンは最高。
「街の灯」 みてください。説明する必要はない。サイレンスだし。
「紅の豚」 カッコいい。「いいやつらはしんだやつらだ。」
「今すぐ抱きしめたい」 香港。いい。香港のラブストーリーは秀作が多い。
「今を生きる」 感動と共に、その後を知りたくなる。中3のときだな。
「砂の女」 強烈だったな。原作もよんでください。
「市民ケーン」 授業にもでてくる教科書的な作品です。一応。
「時をかける少女」 アニメ版。傑作。喜怒哀楽。リズム。伏線。よくできている。細かい不自然さを吹き飛ばす。
「七人の侍」 まだ、人を斬る音声が入っていません。仲間が死んでいくのがたまらない。そして、なんといっても農民の勝利ですよね。
「重罪と軽罪」 ウッディアレンです。やっぱりいい。
「初恋」 香港のラブストーリー短編集。どれもよいです。
「勝手にしやがれ」 別に面白いくはないけど、好きだといっておかないといけない作品。
「小説家に出会えたら」 作家になることを夢見ていて、こんな出会いがあったらいいな。
「世界中がアイラブユー」 ウッディアレンです。いいです。
「戦国自衛隊」 古いバージョンです。勝新だっけ?大迫力だった。
「大人は判ってくれない」 主人公が少年院に来るときに天井をながめるシーン。そして、最後に走り出すシーンで、海にたどり着き、振り返るシーン。この最後の数十分がいい。
「椿三十郎」 用心棒よりこちらが好き。なぜなら捕まらないから。最後の決闘シーンはみもの。
「天空の城ラピュタ」 バルス!もう語る必要はないでしょう。
「東京物語」 "現代にも通ずるテーマ。親と子。そしてかつての日本。
原節子の最後のセリフ「人間はみなそうなのよ。」にぐっとくる。"
「父の祈り」 IRAなんて、懐かしい話のように思ってしまう。冤罪に苦しみ、父の奮闘、勝利。泣ける。
「風の谷のナウシカ」 "そのもの青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。
セリフを良く覚えていました。"
「蜂の旅人」 電車が通り、光が揺れ動く中で抱き合うシーン。美しすぎる。
「僕らの7日間戦争」 宮沢りえがかわいかった。そしてなにより少年の冒険心に火をつけた。何十回も見たな。
「本当のジャクリーヌデュプレ」 前半部分と後半部分の妹からの視点と姉からの視点で物語が語られる。秀逸。音楽もよい。
「羊たちの沈黙」 レスラーさんあんたは怖いよ。最後の脱走は見事ですよね。
「猟奇的な彼女」 ツンデレ彼女。好きです。エンディングもよい。
「デカローグ」 人はどうして生きているのか?我々はどうして生きていなければいけないのか?あなたの住むマンションにもさまざまな人々がくらしているのです。


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「ヱヴァンゲリヲン」序~【破】の予告編的位置づけ?~ [映画]

ちょうど前夜にテレビ版を見て復習していたので、比較しながら新エヴァを見ていました。
書くことはたくさんあるのですが、ちょっと箇条書します。

・内容をみて改めて思ったこと
あらためてみると、どう考えても大人が無理やり状況を追い込んでシンジに戦わせていて
「あなたを信じている」とか「かんばって」とか声をかけるのには、こんな理不尽な話があるか、と同情したくなった。
子どもは環境を選べないので、環境を作る大人によって壊れていく子どもの心のプロセスを傍観しているのはとても気持ちが悪い。関係が破壊されてしまった家族の中で、無力な少年が父の関心を引きたくて、ボロボロになりながら戦うという状況はあまりに悲しい。当時と子どもの環境は変わらず、むしろ悪化しているのではないかとさえ思う。

・現場の状況
前日に前売り券で8:00の回を予約。
7:00に開場ということで、7時10分くらいには着いた。
(といっても、すぐ近くのネットカフェにとまっていたわけだけど)
するとやはり長蛇の列。
客層は20代中ごろが多かったのだろうか?
中学生ぐらいよりも、大学生ぐらいの年齢に見える人が多かった。
男の友達同士が多いようだったが、カップできたり、1人でその道の高みにいるような人までもちろんいた。朝から晩まで、一日5回転するようで、映画の日ということだが、330席あまりのシネマサンシャインでは、この日だけで、観客動員1600人は硬い。劇場を出るときには、「もう1回見ようか」と話ている人たちもいたので、リピーターも確実にでてくるだろう。
なにより「予告編」が期待感を膨らませるのには最高のお土産だったので、
「破」は今回以上に盛り上がりそう。実際、沼田は絶対に見たいと思った。
2008年公開予定の「破」に期待が募る。

・ストーリーよりも描写
事前から予告されていた通り、「序」の部分ではストーリーそのものにほとんど修正は加えないということで、90分という映画の尺でテレビ版の6話分を消化することになり、この制約で物語が部分的に修正、変更されている。例えば、シンジが家出し、ネルフを去るシーンはほぼカット。個人的には好きなシーンだったが、この尺を考えるとしかたないか。
細かく戦闘シーンなどを描写することで、(またそうしたかったのだろう)物語を再構築している。
得意の雨の街をカットにいれたりしながら、心理描写をしているが、ある種のロボット戦闘、戦争アニメになっている感じを受けた。

・新東京市の要塞の描写
95年作成時と大きく異なるコンピュターの制作環境で、デジタル技術による編集や調整などが多様されたようで、こういったあたりが今回の見せ場かもしれない。要塞化した都市の描写は細かく、迫力あるものに仕上がっている。これでもか、これでもか、というかたちで、要塞化した都市を示すわけだが、これほどの描写がどうして必要なのか、一般的なストーリー重視でエヴァを見ている人はいまいちピンとこないところかもしれない。

・使徒との戦闘シーン
「ラミエル」が攻守の形状を変える動的なものに進化していた。
これはCGなのかな?
そして、使徒のカウントなのだが、第5の使徒?第6の使徒?どうやら、使徒のカウントが変わっているようだった。

・UCCなど企業協賛
ローソン、エビスビール、UCC缶コーヒーの協賛名が入ったものになっている。
ミサトの部屋にはUCCの缶コーヒーが転がっているのだが、ビールだけが転がっている(アルコール依存症の暗示)というふうに解釈していたので、コーヒーが転がっているのはちょっと違和感があった。

・ヤシマ作戦
スタッフが特に力を入れたいと思い、実際にそうしただろう場面。
とにかく描写が細かい。気合の入りようがよく分かる。
が、ストーリーを求める観客にはそれほど関係ないのかもしれない。
ちなみに、沼田はそう思った。
ゲンドウとミサトの言葉のやり取りなど、今までにないシーンが追加。

・「破」予告編
劇場がどよめいたのは、むしろ本編が終わって、次回「破」の予告。
新キャラ、新設定がミサトさんのアナウンスと共に数カット紹介され、「おおお~~~」という声が劇場に響く。一番期待が膨らんだ瞬間だった。(ミサトの声が、こんな声だっけ?おばさんくさかったが・・・)

テレビ版との比較で見てしまっている部分が多くなってしまった
一度全部みて、劇場版を見直したほうがよいんだろうな、やっぱり映画だけでは情報が足りない部分がある。

NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX '07 EDITION

NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX '07 EDITION

  • 出版社/メーカー: キング
  • 発売日: 2007/08/01
  • メディア: DVD


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「あしたの私のつくり方」 [映画]


成海さん主人公で、神童よりもこちらを選んだ。
普通の女の子を演じるということのほうが断然難しいに違いない。
さて、結論からいうと、平均点よりはマイナス、ぐらいの映画だろうか。
まず、尺が長い、、、と感じてしまうぐらい、もっと短く、言ってしまえば、テレビドラマで流されてもおかしくない時間で作れてしまうものを無理やり映画の尺にしたという感じだった。
ストーリーそのものは悪くないし、いいとおもった。主人公の演技もよかった。脇を固める若手がどうにもならなかったというのが残念。もう一人の主人公の女の子はなにかのオーディションの大賞受賞者なのだろうか、正直、もうちょっとかんばってもらわないとな、と思った。(といっても、宮崎あおいや、長澤まさみなんかも最初はどうしよもなかったわけだが)さすがに、成海さんと同年という設定には無理がある。(監督、きっとこれは監督のキャスティングじゃないわけですよね???)
テレビ版のリメイクをしてもらいたいところ。
成海さんはうまかった。だからこそ同世代の演技にバランスをもてていないのが作品としてまとまりを欠けさせてしまった。
「花とアリス」と比較するようにみてしまったが、やはり、花とアリスのほうがよかったな。蒼井優という存在が圧倒的だったし。


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「バベル」 [映画]


いい。ここ最近の作品ではずば抜けてよかった。
これは映画の何を評価するかということにもつながるが(最近勉強している基準か・・・)
そんなことも気にしないでつらつら書こう。

この映画のメッセージは
「この地球では、すべての人はつながっている。」
「当然、すべての人に固有の物語がある」ということじゃないだろうか。

この映画にはさまざまに解釈可能な社会的な問題を映し出しており、その一つ一つで、見た人間がどれに興味をもつか、ということでもある。見る人間を選ぶ映画でもあるかもしれない(何も感じない、もしくはよく分からないというリアクションも当然ながらありえる)。もちろん、沼田は勝手にこの映画をみていろいろと考えを深めたり、思いつくことがあったので、楽しかったわけだが、その面白さはタイタニックやハリーポッターのような面白さとはまったく異なると書いておかないといけない。

さて、
そもそもバベルっていう言葉が何をさしているかがわからないと、この面白さは半減する。
曖昧な記憶で書き出すと、そもそも思い上がった人間たちが天にも届かんばかりの塔を築こうとして神の怒りをかい、塔は破壊され、人々は言葉を分化させられ、共通の言語を失った。ということだったような気がする。
* 詳しくはしらべてみて。

物語はモロッコで起きたアメリカ人への襲撃事件から、さまざまな物語に発展するわけだが、その物語が個人の物語として世界に散らばり、その各地の話が非常にまとも(違和感なくみていられる、つまり、日本という国の間違った理解などまったくないまま)進んでいく。
英語、日本語もふくめて、5ヶ国語(手話も含む)が劇中に使われている。主人公の一人である女子高生が聾唖であるという設定が絶妙である。さまざまなことばをしゃべる人々、しかし、そもそもその言葉さえも話し、聞き取ることが障害として困難となっている人間。そもそも言葉を理解できない(身体的な障害によって)女性が身体的な経験を補完しようとする(つまり性的な関係を求める)のにも、不都合が生じる。
バベルの塔のような超高層ビルにすむ富裕層である彼女の家族は、まさにバベルの塔のように、それ以上の罪として言葉を奪い取られている。豊かな生活の中でもその満たされない欲求の中で、彼女が行き着くのは家族の再生であった。
この物語には登場人物たちのそれぞれの家族が描かれており、その家族のあり方として、関係性を模索する作品でもある(家族を失う人、家族を失った人、家族が増えた人、家族を取り戻した人)。この現代において、非常に示唆的な作品、こうした映画が作られたことは非常に喜ばしいことだ。

見た人によって感じ方は多様にありえるだろうな、という作品で、
ぴあなんかでは点数は非常に低かったが、べつにエンターテイメント作品というわけではないので、それは当然かもしれない。性的な露出があったことで、点数を落としたのかも知れないが、沼田的にはいわゆるアメリカのラブロマンスにあるメイクラブなんかより意味あるシーンだったと思う。
ということで、沼田的には高得点。


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「時をかける少女」 [映画]

ゲド戦記と同日に見た。

結論。

非常によい。
おもしろい。
よくできてる。

ゲド戦記のあまりのひどさにアニメに失望しかけていた沼田を救い出してくれた。
やっぱりプロの仕事はこうでなくては。

評価点

1.テンポ
とにかくテンポがよい。
二時間の枠の中で、起承転結がしっかりできている。
タイムリープする主人公のカットをなんども差し戻したり、
いれかえたりしながら、(本来不自然におもわれることも)
自然なものとしてうけとめることができる。

また、細かく考えれば、「これってどうなったんだろう?」「あれって、おかしくない?」みたいな、ちぐはぐなことろも実はあるのだが、(*たとえば、最初の2回目のタイムリープでは、土手のシーンにもどるが、
それいがいではどうだったか、とか。最後の真実をしるところでは、なぜ時がとまってしまうのか、など。)劇中ではまったくそんなことを考えさせない。考える時間もない。うまい。

2.喜怒哀楽の移り変わり
高校生ならではの「恋」、タイムリープの「楽」、その繰り返すシーンでの「笑」、
しかし、その代償を「罪」として感じ、そして最悪の結末を迎える「悲劇」。
こうした感情が場面場面でみごとに交錯し、未来とカコをいったりきたりしながら、物語が進んでいく。この揺れが非常に大きく、笑えるシーンだと思ったら、次の瞬間にはハラハラしている。うまいです。

3.現代性とのマッチ
原作から、どう現代的に直していくか、というところでは、頭を使うところだったおおもう。ラベンダーの香りとはまったく関係のない形に切り替え、当然ながらミニスカートをはく女子高生ということで、生き生きした高校生たちのやりとりが現代的で、うまく原作を活かしたと思う。

4.前作とのさりげない連動性
魔女おばさんが、実は数十年前にヒロインをこなしていた女優さんで、
その声優をこなしたり、タイムリープの話をさもあたりまえのように会話したいするところで、ラベンダーや、昔の写真がでてくるなど、実は(さりげなく)前作のドラマ?からの数十年先の物語であることを示唆している。
これはうまい。沼田もこのシーンなどにどういった意味があったのか、わからなかったのだが、後で調べて分かった。にくい演出である。

などなど、これは随所にいい点が光る。

残念な点を上げるとすれば

1.迫力
まあ、そんなものは無縁なところにあるからよいかもしれないが、
もののけ姫や、せんと千尋、ハウルのような映画の迫力ある絵はなかった。
かわりにもとめたのは「美しさ」だったか。

2.原作との意味性
おもしろかったからよかったが、ネタとしてはよくあるもの。
そこから這い出すために、もうひと工夫あってほしかった。
「時をかける少女」というタイトルでなくても物語としては成立してしまう。
このタイトルをつかうとするならば、前作との連動性をだすのも必然だったのかもしれない。

3.時間軸の設定
つまり、結局、どれくらいの時間を行き来して、数日の話なのか、
数ヶ月の話なのか、分かりにくい。
夏服で、うごいていることから、最高でも一ヶ月のあいだで、話がうごいたようだが。結構放置されている問題も実は多々あった。(いじめられる男とか)

おもしろかったので、ゲド戦記みたいに、炎上はしていないが。

いろいろかいたが、こんな問題点を考えないぐらい、よくできている。
純粋にアニメ(映画)を楽しむなら、ゲド戦記より、時をかける少女がよいの確実です。

つまらないといううわさを確認するために、「ゲド戦記」を見に行くという人も多いみたいだけど。





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「今を生きる」 [映画]

中学時代に見た映画をDVDで買って放置していたが、
今日あらためてみた。

いい映画だ。

というわけで、ウィルト・ホイットマン

「 O Captain! My Captain!」 By Walt Whitman

O Captain! my Captain! our fearful trip is done;
The ship has weather'd every rack, the prize we sought is won;
The port is near, the bells I hear, the people all exulting,
While follow eyes the steady keel, the vessel grim and daring:
But O heart! heart! heart!
O the bleeding drops of red,
Where on the deck my Captain lies,
Fallen cold and dead.

O Captain! my Captain! rise up and hear the bells;
Rise up - for you the flag is flung - for you the bugle trills;
For you bouquets and ribbon'd wreaths - for you the shores a-crowding;
For you they call, the swaying mass, their eager faces turning;
Here Captain! dear father!
This arm beneath your head;
It is some dream that on the deck,
You've fallen cold and dead.

My Captain does not answer, his lips are pale and still;
My father does not feel my arm, he has no pulse nor will;
The ship is anchor'd safe and sound, its voyage closed and done;
From fearful trip, the victor ship, comes in with object won;
Exult, O shores, and ring, O bells!
But I, with mournful tread,
Walk the deck my Captain lies,
Fallen cold and dead.

いまを生きる

いまを生きる

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 1999/01/22
  • メディア: DVD


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「街の灯」 [映画]

500円で売っていたから買ってしまった。
懐かしいです。

いいですね。
ラストがたまらないです。

チャップリンの表情がいいです。

笑いとともに悲しみがある。

こういう作品には現代では出会えませんね。
70年以上前の映画でも十分泣けます。

街の灯 コレクターズ・エディション

街の灯 コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/01/23
  • メディア: DVD


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