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「時をかける少女」 [映画]

ゲド戦記と同日に見た。

結論。

非常によい。
おもしろい。
よくできてる。

ゲド戦記のあまりのひどさにアニメに失望しかけていた沼田を救い出してくれた。
やっぱりプロの仕事はこうでなくては。

評価点

1.テンポ
とにかくテンポがよい。
二時間の枠の中で、起承転結がしっかりできている。
タイムリープする主人公のカットをなんども差し戻したり、
いれかえたりしながら、(本来不自然におもわれることも)
自然なものとしてうけとめることができる。

また、細かく考えれば、「これってどうなったんだろう?」「あれって、おかしくない?」みたいな、ちぐはぐなことろも実はあるのだが、(*たとえば、最初の2回目のタイムリープでは、土手のシーンにもどるが、
それいがいではどうだったか、とか。最後の真実をしるところでは、なぜ時がとまってしまうのか、など。)劇中ではまったくそんなことを考えさせない。考える時間もない。うまい。

2.喜怒哀楽の移り変わり
高校生ならではの「恋」、タイムリープの「楽」、その繰り返すシーンでの「笑」、
しかし、その代償を「罪」として感じ、そして最悪の結末を迎える「悲劇」。
こうした感情が場面場面でみごとに交錯し、未来とカコをいったりきたりしながら、物語が進んでいく。この揺れが非常に大きく、笑えるシーンだと思ったら、次の瞬間にはハラハラしている。うまいです。

3.現代性とのマッチ
原作から、どう現代的に直していくか、というところでは、頭を使うところだったおおもう。ラベンダーの香りとはまったく関係のない形に切り替え、当然ながらミニスカートをはく女子高生ということで、生き生きした高校生たちのやりとりが現代的で、うまく原作を活かしたと思う。

4.前作とのさりげない連動性
魔女おばさんが、実は数十年前にヒロインをこなしていた女優さんで、
その声優をこなしたり、タイムリープの話をさもあたりまえのように会話したいするところで、ラベンダーや、昔の写真がでてくるなど、実は(さりげなく)前作のドラマ?からの数十年先の物語であることを示唆している。
これはうまい。沼田もこのシーンなどにどういった意味があったのか、わからなかったのだが、後で調べて分かった。にくい演出である。

などなど、これは随所にいい点が光る。

残念な点を上げるとすれば

1.迫力
まあ、そんなものは無縁なところにあるからよいかもしれないが、
もののけ姫や、せんと千尋、ハウルのような映画の迫力ある絵はなかった。
かわりにもとめたのは「美しさ」だったか。

2.原作との意味性
おもしろかったからよかったが、ネタとしてはよくあるもの。
そこから這い出すために、もうひと工夫あってほしかった。
「時をかける少女」というタイトルでなくても物語としては成立してしまう。
このタイトルをつかうとするならば、前作との連動性をだすのも必然だったのかもしれない。

3.時間軸の設定
つまり、結局、どれくらいの時間を行き来して、数日の話なのか、
数ヶ月の話なのか、分かりにくい。
夏服で、うごいていることから、最高でも一ヶ月のあいだで、話がうごいたようだが。結構放置されている問題も実は多々あった。(いじめられる男とか)

おもしろかったので、ゲド戦記みたいに、炎上はしていないが。

いろいろかいたが、こんな問題点を考えないぐらい、よくできている。
純粋にアニメ(映画)を楽しむなら、ゲド戦記より、時をかける少女がよいの確実です。

つまらないといううわさを確認するために、「ゲド戦記」を見に行くという人も多いみたいだけど。





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