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【NHKでのアニメとアイドルと声優とTwitterと平和と生ライブと専門用語について:ラブライブの声優登場の一幕についてのメモ】


・非常に驚くべき、そして、さまざまに理解不能な、でも、微笑ましいというか、そういった事象が発生した。
・で、沼田は割りとアニメも好きだし、詳しい方だと思っているけど、それでも、すべてのアニメを見ることはできないし、アイドルとかは声優には造詣が深くない。
・で、ラブライブというアニメがあって、そのファンのことをラブライバーと呼ばれたりしていて、とにかく、人気があることはわかっていたが、よくある話としてこうしたアニメの声優たちも人気がでて、ライブを行うなどかなりの盛り上がりを見せるということはなんとなく知っていた。課金系のゲームもあるのかな。
・で、NHKをみていたら、このラブライブの声優たちが登場し、アニメのアイドルたちのように歌うという一幕が突然始まった。(突然始まったように感じた。他のNHKの雰囲気とは一線を画す、不思議なテンション。)
・で、そこにTwitterによるコメントが登場するのだが、まさに狂喜乱舞という様相が垣間見え、専門用語や愛称などが乱れ飛ぶ、往年の2チャンネルの実況版(?)のような雰囲気を醸し出して、異様さに磨きがかかる。
・で、番組の出演者の女の子がじつはライブライブ好きということで、よくわからないコメント。他の出演者もこの雰囲気をどう処理したら良いのかわからないような状況であったように目に映る。
・で、視聴者投票で歌う歌を決めて、実際歌うのだが、なんとも・・・下手ですよね?いや、もうどうだっていいのか。ライブライバーたちは感動の嵐、もう、テレビ画面が見えないぐらいの感動だったらしく、ブレードをなんちゃらという話。ブレードってなんだろうか。
・で、このアニメはたしか、民放の作品だよね。なんで、NHKでやったんだろうか。とか、アイドルってなんだろうか、とか、声優ってなだろうかとか、NHKという国営放送に、そして、自分の日常生活の一幕に登場する彼女たちをみて、なんとも不思議な気分なり、でも、微笑ましいものを感じ、殺伐としたメディアの課題だらけの日本と世界の情勢から離れて(本来、無関係ではいられないわけだが)ピースフルな真実はそこにあって、いや、これでいんだ、これがいいんだ、ニコニコしている自分がおり、評価がだいぶ変わった。
・ライブライブに関して記述に間違いがあるかもしれませんが、すいません、そんなに詳しくないんです、ゴメンなさい。

「なぜ、『片付ける、整理する』という教育が行われないのか?」

「『沼田真一の面倒くさい話』とかってテーマでユーチューバーにでもなればいいんじゃないの?」という妻からの提案(?)呆れ顔での一言から思うのだが、そんなに面倒くさい話だっただろうか?

テーマ「なぜ、『片付ける、整理する』という教育が行われないのか?」
・子供の頃から、両親には「片付けろ、整理しろ」と度々怒られ続けてきたのだが、正直何をどうやると正解で、また、どういう方法がもっとも適切なのか、だれも教えてくれなかった。そんなの自分で工夫して勝手に学んでいくんだよ、という考え方もあるかもしれないが、世の中には、「片付ける」ということが本当に苦手な人が本当に多いし、そもそも片付けるってなんなのだ、ということを論理的に教え、実行し、その改善を指導してくれる人はいなかったわけだ。
視点を少し変えて、そもそも物があふれるようになって、片付けることが必要になってしまった、というふうに考えることはできるだろうか。江戸の長屋の居住空間などを考えると、まったくもって余計なものをおいておくようなSpaceはないわけだが、産業の発展は物質的な循環を拒否するものを溢れさせ、それは、生活空間の中で、「余計なもの」となって、記録だとか思い出だとか、なんだかよくわからないものと一緒に保管され、(そして、たいてい二度とひらかれることなく)どこかに「収納」されていく。もやは保管でもなく、ただ、積み上げられ、押しやられ、空間を埋めていくのである。そしてそのほとどんは「紙」でできたものであることを考えると、印刷技術が発展しなければ、こんなふうに空間を埋めていくことはなかったじゃないかと思う。
ちなみにデータになったから、保管するSpaceを省略できるようになったかといえばそれほど変わっていないように思う。データそのものが散らばり、資料そのものを見つけられなくなっているケースも多々みうけられ、データそのものをどのように管理保管すれば、必要に応じて、引っ張りだして、有効なナレッジとして利用できるというその教育は全くなされていないんじゃないかと思う。要はフォルダやファイル名の管理やその配置など、適当にやっているわけだ(これじゃダメだとなって、だいたい、どこかのタイミングでルール化などを自分で検討し、実行することになるのだろうが。)何かを生産し、または、称し続ける生活の中では、モノをどのように保管し、または、廃棄していくか、また配置しているか、その空間をどのように設定するか、ものすごく重要なんだけど、この教育は家庭で行うべきなのか、学校で行うべきか、はたまた、個人で学習すべきものか、なんだかこの辺りがすごく気になるのだ。

【マジカルミライ2014 で思ったこと:ボーカロイドの世界と不老不死の技術】


・多様な人達が集まっているな、という感じ。ある種のアイドル、偶像、キャラとしてとしてミクが好きだとか、曲が好きだとか、技術的な表現が好きだとか、興味関心は様々で、家族できている人たちもいたし、女友達同士できている人たちもいたし、往年のファンとして、完全武装できている人たちもいたし、カップルできている人たちもいた。かなりバラバラ。
・そして、コンサートそのものなのだが、年々、その表情の作りこみが細かくなって、物憂げなミク、厳しい顔のミク、楽しそうなミク、いわゆる喜怒哀楽の表情を使い分け可能になってきている。それが、自然と変化させられるようになってきて、楽曲の表現力は格段に上がった。とくにバラードなどの歌いあげるときはそのマッチングがすばらしい。
・(ただし、一曲、すこし、実際の演奏とタイムラグがあるような気がした。というか、昨年の音源、映像を使ったやつかな?えっと、曲名が・・・)
・そして、ギターを持って動きまわる表現などでは、映像なのに「重力」を表現しきっているというか、映像なのにそこに立っている、踊っている、動いている感じが違和感なく、達成できていると感じた。こんなに動きを綺麗に表現できるのか。
・有名な曲も多くて(自分の好きな曲も多くて)とってもよかった。やっぱり知っている曲が流れると気持ちいい。
・映像で、表現されているミクという存在が、そこで歌っているということ自体に、何の違和感を感じなかった。パブリックビューイングでサッカーを見ているよりもリアルに感じた。
・二次元の世界で生きるミクが、そこに「登場」しているというのは、なんというか、普段は二次元の世界の別のところにいたのが、この時はみんなのところに「登場」した、という感じか。
・いや、楽しかった、感動した。正直いって、その完成度に涙ぐんだ。こんなことができてしまうんだ。こんな完成度で、「新しい世界」を創りだしてしまうことが可能なのだ。
・そのとてもつもない技術力で、新しい世界を想像し、まさに創造してしまった。その事実に感動した。だれも考えもしなかった世界だと思う。10年前までは。(もちろん、楽曲そのものもよかったけど)
・ということで、まだまだ、世界は作り変えられる。新しい世界を創り出すことはできる。
・この技術を応用すれば、不老不死さえ手に入れることができるじゃないか、と思った。ボーカロイドの技術で、リアルな実在の人間の「ボイスバンク」を創り出し、映像でその「姿」を映し出すことができる。資本力があれば、それはできてしまう。
・たとえ、沼田が死んだとしても、沼田と対話することが可能な状況を作り出すことができる。対話アルゴリズムと搭載すれば、ある一定パターンの応答は可能だし、siriみたいなプログラムがあるわけだから、たいていのやりとりは違和感なくできるだろう。
・不老不死技術の完成はもうすぐ、そこまできている。「脳」さえ、損傷なく保管できれば、ありとあらゆることが、代替可能なのかもしれない。SF的だけど、でも、やっぱりそういう世界は地がづいているのだ。
・いや、福祉領域、医療の世界で、今後伸びていく技術、応用されていく技術なのだろう。まだまだ、世界は作り変えられるのだ。

休日の過ごし方

休日が続いて、現場仕事もなかったので、あれこれ本を読んだり書きものしたり、調べ物したり、こんなことできたらいいなと、夢を膨らましたり、わりと好きな時間を過ごすことができて、こういうのいいな、とか思った。そんな三日間。しかし、自分はやっぱりインドア派だな。
ともかくも考えることが好きなんだよね。

『4TEEN』石田衣良

※「いわての中高生のためのおすすめ図書100選 ④」
※ 実際に自分で読んでみて、紹介文章を書いてみるシリーズ
※ 中高生に向けて、文章を書いていきます。
※ と思ったけど、ただの読書記録だな、これは

毎度の病気ネタ、そして、暴力をふるう父親ネタ、よく見るネタばかりだったが、
(『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』とか、『きみの友だち』とか、でもこれらは女の子が主人公だった)
それでも読ませる力があって、楽しい。
ただ、無用にエロネタがあり、(エロというよりも、中学生男子はこんなものだろ、というやりとりなのだが、本当にこうなのかは疑問をもつし、単純に品の無さは読む気持ちを萎えさせるには十分)そして、ちらばっているネタそのものが古くはある。だって、モーニング娘。ネタとかねえ。時代だねえ。

しかし、この本を中高生に薦めたいかねえ、そしてこれを読んで面白いのかねえ、よくわからん。
小説としてよくある話、ではあるけれど、それでも面白いことは面白い。
特に個人的好きなのは、最後のシーンで、4人の少年がそれぞれ自分の秘密を打ち合わせるシーンでしょうか。
ここがどう考えてもクライマックスですね。
自分の中学生のとき、こんなことがあったかというと、そんなことはなかったのだけど。

もちろん、一編一編、ちゃんと読ませます。面白いのです。でも何かを足りないと思ってしまう。

どの物語も、基本、「イタイ」です。なんですかね、こう痛みを描こうとするのだけど、
作家によって違うものだな、と思いつつ、ネタそのものは同じようなものだなと思いつつ、
最後まで読み終わるとそれはそれでよいのだけど、
この繰り返される物語を読みながら、すでにマンガやアニメの方が、物語の構造や伏線といったことまで、
緻密でよく出来た作品が増えてしまっていて、そうしたものに中高生の興味関心がいくのは至極当たり前なんじゃないか、と思ってしまった。
『魔法少女まどか☆マギカ』とか構造はやっぱりよくできているし、その死の描き方はある時代を作ってさえしまった。
そういうことが起こるほどの力を持った作品がでてくるだろうか。



4TEEN (新潮文庫)

4TEEN (新潮文庫)

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11/26
  • メディア: 文庫



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『夏の葬列』山川方夫

※「いわての中高生のためのおすすめ図書100選 」とは無関係です。
※なぜ山川方夫がないのだ。すでに教科書にあるのか?


前述したとおり、とにかく中学校時代は本が好きでも、
なかなか読みたい本に出会えないことがとてつもないストレスだった。
それでも中学校の国語の授業は好きだった。

正確には国語の授業というより国語の教科書。
自分で調べても出会えないようなさまざまな作品が並べられていて、
当時結構分厚かったと思うのだが、その重みも嫌いじゃなかった。

字が小さければ小さいほど、大人になった気がした。
そんな国語の教科書に載っていて、授業でも取り上げられ、
強烈な印象を残した作品がある。

山川方夫の『夏の葬列』である。

・・・という話をこの前、とある会で話をしたのだけれど、
「知らない」という方も多かったので、改めて紹介しておこう。
もし、読んだことがないという人がいたら、すぐにAmazonで買って欲しい。
(いや、Amazonでなくてもいいのだけど・・・)
そして、この作品を読んで、面白くもなんともない、
ということであれば、そのつまらなさを聞くのとあわせて
食事代を支払ってもいい。

で、紹介するには内容に触れてしまうことになるので、難しい。
なんといってもほんの数ページの作品なのだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ある男がかつて太平洋戦争末期に疎開していた街の駅に降り立つ。
季節は夏。そこで、彼はその幼い頃の思い出と重ね合わせることになる
「葬列」に出会ってしまう。そして、当時の悲劇を回想するのだった・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

主人公の心理描写、写実的な細かい風景、場面の描写、物語の展開、微かに見出す希望、明らかになるさらなる悲劇、
どれをとっても一級品、読みながら場面場面が目に浮かびます。
中学生の自分に運命の皮肉さ、これ以上ない絶望的な終末、その救いの無さを脳裏に刻み込むことになった作品。

でも、この作品は楽しかった。なぜだろう?

芥川龍之介や太宰治が有名なのにもかかわらず、
なぜ、山川方夫が有名な作家になりえなかったのか。
実は、彼は34歳でなくなっている。
しかも交通事故で。
横断歩道を歩いている時にトラックが突っ込んでくるというあまりに悲劇的な人生の最後を迎える。
この事実は、余計にこの作品の価値を高めてしまっているように思う。
その人生の最後が作品のそのもののテーマをより強固なものにしてしまっているからだ。

集英社文庫の解説で、山崎行太郎は次のように書いている。
「自殺でも病死でもなく、ただの交通事故という即物的な出来事の中で死んだ山川方夫の死に方は、実に山川方夫的であったといわなければならない」
同書に収められている「待っている女」や「お守り」なんかもすごく良い。
とくに団地による個性喪失の物語を描く「お守り」は梶井基次郎の「檸檬」や星新一のショートショートを思い起こさせる。

ともあれ、この夏のどこかで「夏の葬列」をぜひ読んでもらいたい。

※余談だが、山川方夫は慶応ボーイで、かつ、三田文学の編集長だったのか、知らなかった。


夏の葬列 (集英社文庫)

夏の葬列 (集英社文庫)

  • 作者: 山川 方夫
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1991/05
  • メディア: 文庫


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『きみが見つける物語』恋愛編

※「いわての中高生のためのおすすめ図書100選 ③」
※ 実際に自分で読んでみて、紹介文章を書いてみるシリーズ
※ 中高生に向けて、文章を書いていきます。
※ と思ったけど、ただの読書記録だな、これは

短篇集になっているので、好みが分かれると思う。
しかし、人が死にすぎる。
こんなふうに人が死なないと、恋愛を描けないのだろうかと、不愉快になる部分もあった。
簡単にそれぞれに触れてみる。

『あおぞらフレーク』 梨屋アリエ
個人的には特別面白いと思わなかったけど、そうだなあ、
こういう物語があってもよいのかなあ。
主人公の友だちの女の子のほうが魅力的。どうも、主人公の性格が『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』や『きみの友だち』などに被るなあ。基本冷めてる。愛とか恋とかよくわからない、と。
そうかねえ、中高生とかってそんな話ばっかりでないの?と思う。

『しあわせは子猫のかたち』 乙一
生活描写が巧みで、幽霊話を暖かく描ききるところがよいなあという感じです。
無理に殺人事件と組み合わせなくても良いのではないかと思う。
ミステリーの要素をいれているのだけど、東野圭吾の小作品のできが良すぎて、負けちゃっている。
いや、生活描写が温かみがあっていいので、ほのぼの小説を書かせたら、めちゃくちゃいい作品を書くのだろうな、という感じ。
冒頭の入り方が好き。一見どうでもいいような入り方だけど、伏線なんですねえ。。。

『黄泉の階段』 山田悠介
物語の展開が唐突すぎて、不自然さをあちこちに感じて、沼田的にはダメな作品。
こういう死と恋愛を描くのは受け入れられないなあ。
しかも、その死が安っぽすぎる上に、再会のシーンとそこまでのプロセスがなあ、、、
そしてオチもなあ、、、


『植物図鑑』 有川浩
こういう女性描写が好きです。こういう女性がいてもいいし、こういう話があってもいいな、あるかもな、という感じですね。実際にあったら、いろいろと問題だろうけど。
わくわくさせて、物語の面白そうな展開が予感できる、読んでいて気持ちいい作品です。
そう、読んでいて気持ちいいというのはすごく大事な気がする。そういう作家さんなんですかね。


『小さな故意の物語』 東野圭吾
くうっ、うまい!ちょっと、死の描き方がクールすぎて、死んだ親友を友人と恋人がこんなにクールに対応しないだろ、と突っこみたくなる部分もあるのだけれど、ミステリー作品と割りきって読めば、出来が良すぎる。ショートストーリーとして、緊張感を持たせながら、恋愛模様のウェイトを抑えつつ、それでいて、高校生としてのやりとりを不自然なく組み込んで、作品を編み上げる力に驚く。最後までオチをあれこれ予想させては上手に裏切る。これは東野圭吾の力がよく分かるというか、すごいなあ、という作品ですね。恐れ入りました。


きみが見つける物語    十代のための新名作 恋愛編 (角川文庫)

きみが見つける物語 十代のための新名作 恋愛編 (角川文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/09/25
  • メディア: 文庫



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『きみの友だち』重松清

※「いわての中高生のためのおすすめ図書100選 ①」
※ 実際に自分で読んでみて、紹介文章を書いてみるシリーズ
※ 中高生に向けて、文章を書いていきます。
※ と思ったけど、ただの読書記録だな、これは。
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ほんとうに悲しいのは悲しい思い出が残ることじゃないよ。
思い出が何も残らないことが一番悲しいんだよ。
----------------------

これはお薦めできる作品だなあと思います。
ショートストーリーとして主人公を変えながら、
物語が少しづつ進んでいき、物語が終着します。

ともだちとは何かということを、
それぞれエピソードが教えてくれます。
どれもよくできたショートストーリーになっていて、
主人公の女の子の視点とその弟の視点とが交錯するのはとてもおもしろいです。月日が流れつつ、それぞれのエピソードがリンクしながら物語が語られます。

どこかで読んだことがある、聞いたことがある、そういう物語でもあります。エンディングとして描かれるエピソードも予想を反することもなく、ある種の論理性が貫かれているような気がします。

でも、それがかえって、物足りなさになっているようにも思えてしまった。学校で起こること、出来事としては予想の粋を出ない、そういうことがあるだろうな、ということばかりが描かれている思えば刺激が足りないかもしれない。
でも、リアルな物語だと思います。そこがいいんだと思います。『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』にはない、リアルさが全編に貫かれています。

物語の構造としての解き明かしが最後の章で明らかになるわけですが、そのあたりのひねりかは面白いですね。

等身大のそれぞれの登場人物をうまく描いている。
ただなあ、どうしても、病気の友人が登場するというのは、
卑怯な気がしてしまう、そういう形でしか物語は作りえないのだろうか、そして、友達というものをうまく描き切るためには、そうして登場する彼女がやはり死ななくちゃいけないのだろうか。

正直その物語の部分では、自分は涙を流してしまいました。その描写、親の気分になってしまって、涙がとまりませんでした。もう、架空の物語でも、人が死ぬのは本当に嫌なのだ、と心底そういう自分を発見することにもつながりました。

死ぬことが避けられない友人がいることによって、友人の大切さを知る物語が中心になっています。とても悲しい。願わくば、彼女が元気になる物語から、友だちを描いて欲しかった。


きみの友だち (新潮文庫)

きみの友だち (新潮文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/06/30
  • メディア: 文庫



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【小田泰市先生がアツすぎる。。。】

田野畑で語り継がれる伝説の早稲田人、小田泰市先生(平成9年死去 享年89歳)があまりにも熱い人だった。。。平成11年 三回忌を迎えるにあたって、編集された『森の合言葉』から幾つか言葉を引用します。
ある村の方がおっしゃるには、早稲田からやってくる小田先生は、村の人にとっては普段接することがない相当なインテリであり、粋なひとであり、文化人であったと。遠くからいらした小田先生たちをもてなそうともろこしを茹でてさし上げた時の一句。


もろこしの 色むらさきにして 実あまし


筆をとってすらすらと句を書いたそうです。

「いつもむしゃむしゃ食べているモロコシをこう、文化で包み込んだようで・・・」その時のことが何十年たっても忘れられないとのこと。私もその話を聞きがら、その情景が鮮明に目に浮かだものでしたが、この本を読むとより、小田先生のお人柄がよくわかります。

吉坂隆正先生もまさしく偉人であり、魅力的な文章を残されていて、魅力されますが、地理学を専門とされる小田先生もまさしく早稲田の偉人。

シベリア抑留時、過労と栄養失調から仲間が倒れていく中でも、「必ず生きて日本に帰る。早稲田に戻り、日本に理想郷(ユートピア)を作るのだ」と何度も仲間たちに言っておられたという話はその思いの強さに圧倒される。まさに真剣に生きようとして、その場を田野畑村に見出したのだ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『森の合言葉』小田泰市

早稲田の精神的風土は、一日にしてできたものではない。
郷土日本の自然と人間と情が結びついて、八十有余年の歴史の中で培われたものである。
(中略)
早稲田は何処にあるのだと、自分にたずねてみて、お腹の中にあるのだと、答えられるとき、生甲斐を覚えるのである。
人に捧げる言葉ではない。
何があるかとたずねてみて、「花ー男ー真実」がある。
「寂ー厳しさー誠」があると、自分に言ってきかせて、想いかえして考えるのである。(*1)
P.20

教育の革新に、地域社会の発展に、先導的試行がうたわれている。
だが私達は、静かな思考的行動の中で、村と心を一つにして、想い返して考える、
森を創り森に学び森をして文化を語らしめたいのである。
P.69

*1 大隈重信公の遺訓(下記)を書き出しており、ここからの引用されている。

喬木は風雪に耐えて愈々高く
樹根は大地に張って愈々深し
天下に憂いをいたして
想いかえして考えるのである
高く飛ばんと欲すれば
深く学ばざるべからず

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』桜庭一樹 

※「いわての中高生のためのおすすめ図書100選 ④」
※ 実際に自分で読んでみて、紹介文章を書いてみるシリーズ
※ 中高生に向けて、文章を書いていきます。

ぐわっ、これは、、、無理だわ、、、沼田には。
冒頭からの主人公の女の子の言葉遣いが特徴的で、
それはそれで面白いのだけれど、なんというのか、これが、100選に選ばれているのは、よくわからん。。。なぜだ?物語は痛々しくて、個人的には共感する部分はみじんもない。
これは100選の推薦文章とはまったく逆のことを書きたくなる。

「読むな!」

・・・まあ、でも読むんでしょうねえ。中高生が本当にこういう本が好きなのだろうか。

ひきこもりのお兄さんのことを「貴族」と表現するのは面白かった。
そういう解釈もできるのか。なるほどねえ、自分がひきこもりで、妹がいたら、こう言ってほしいな。
そして、面倒をみてもらいたいものだ・・・

内容にはまったく共感をえないのだが、一気に読んだ。
先が気になる、気になるというか、オチはある程度予想されてしまうのだが、、、
100選の選書のテーマは「人とのつながり・友情・愛を考える」と書いてあるけど、
なんなんすか?マジなんすか?この本を読んだら、どれにも疑問を持ち、さらには吐き気をもよおすのですけど・・・激しくこの本を取り上げたことを選考委員会の方々に聞きたいのだが・・・これを読むのであれば、『TUGUMI』(よしもとばなな) を推薦します。
登場人物の構造などがよく似ているし(たぶん)、ある種の伏線の張り方など、似ている気がするし・・・でも、後味が、この『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』とはまったく異なるものだった・・・。

作者は直木賞作家で、なんと女性。そっか、だから女性の高校生の心理描写がうまかったのか、得心がいった。でもさあ、なんで命をこうやって描くんだろうか。なら、『海と毒薬』(遠藤周作)とかよめばいいよ。ちなみに、沼田はあれは最後まで読めなかったよ・・・

ちなみに、2014/08/02 では、佐世保の女子高生の殺人事件がテレビのニュースで連日放送されていて、なんとなく、この話題とリンクした。個人的には全くダメな作品です。


砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない  A Lollypop or A Bullet (角川文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2009/02/25
  • メディア: 文庫



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